葬儀が終わった後、何をすればいい?相続手続きの最初の一歩をわかりやすく解説

HOME | 知っておきたい法律情報 | 葬儀が終わった後、何をすればいい?相続手続きの最初の一歩をわかりやすく解説

親が亡くなると、悲しみの中でさまざまな手続きが続きます。
病院での対応、葬儀社との打ち合わせ、親族への連絡、通夜や葬儀、火葬、市役所での手続きなど、慌ただしい日々を過ごされた方も多いのではないでしょうか。
そのため、相続について考える余裕がないまま時間が過ぎてしまうことも少なくありません。
そして葬儀が終わり、少し落ち着いた頃になると、
「相続って何から始めればいいの?」
「銀行はどうなるの?」
「実家の名義はどうするの?」
という疑問が出てきます。
実は、多くの方が同じことで悩んでいます。
今回は、葬儀が終わった後にまず確認したいことについて、できるだけわかりやすく解説します。

葬儀までは流れがあるが、その後は人によって違う

親が亡くなった後の手続きはたくさんあります。
しかし、病院から葬儀までは、ある程度決まった流れがあります。
病院で死亡診断書を受け取り、葬儀社と打ち合わせをし、通夜や葬儀を行い、死亡届などの手続きを進めていきます。
もちろん大変な時期ではありますが、病院や葬儀社、市役所などが案内してくれるため、次に何をすればよいか分かりやすい場面も多いでしょう。
一方で、葬儀が終わった後の相続手続きは家庭ごとに大きく異なります。
不動産がある家庭もあれば、預金だけの家庭もあります。
兄弟姉妹が多い家庭もあれば、一人っ子の家庭もあります。
遺言書がある場合もあれば、ない場合もあります。
そのため、葬儀後になると急に「何から始めればいいかわからない」と感じる方が多いのです。

まず最初に確認したいのは遺言書の有無

相続の相談を受ける際、まず確認することの一つが遺言書の有無です。
なぜなら、遺言書があるかどうかで、その後の手続きの進め方が大きく変わることがあるからです。
例えば、
・長男に自宅を相続させる
・妻に全財産を相続させる
・遺言執行者を指定する
などの内容が書かれていることがあります。
多くの方は、
「まず相続人を調べるのかな」
「兄弟で話し合うのかな」
と思われるかもしれません。
しかし、遺言書が見つかれば、その前提が変わることがあります。
そのため、まずは自宅の金庫や机の引き出し、公正証書遺言の有無などを確認してみましょう。

誰が相続人になるのか確認する

次に確認したいのが相続人です。
ご相談の中で、
「相続人は私だけです」
とおっしゃる方も少なくありません。
しかし、実際にはそうとは限りません。
例えば父親が亡くなった場合、
・母親
・長男
・長女
が相続人になることがあります。
また、子どもがいない場合には兄弟姉妹が相続人になるケースもあります。
相続手続きを進めるうえで、誰が相続人なのかを確認することは非常に重要です。
後になって相続人がいることが分かると、手続きをやり直さなければならない場合もあります。

財産を確認する

相続では財産の確認も欠かせません。
財産というと預金を思い浮かべる方が多いですが、それだけではありません。
例えば、
・預貯金
・土地や建物
・株式や投資信託
・自動車
・生命保険
などがあります。
さらに注意したいのが借金です。
相続ではプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も引き継ぐ可能性があります。
そのため、
「どんな財産があるのか」
を把握することが大切です。
まずは通帳や固定資産税の納税通知書、保険証券などを探してみるとよいでしょう。

銀行口座はどうなるのか

葬儀後によく聞かれる質問の一つが銀行口座についてです。
亡くなった方の口座について金融機関が死亡の事実を把握すると、口座が凍結されることがあります。
すると、自由に預金を引き出せなくなります。
そのため、
「通帳があるから大丈夫」
と思っていても、相続手続きが必要になります。
金融機関によって必要書類や手続き方法が異なるため、確認しながら進めることが大切です。

不動産がある場合は相続登記が必要

土地や建物がある場合は相続登記が必要になります。
相続登記とは、亡くなった方の名義になっている不動産を相続人名義へ変更する手続きです。
ただし、単純に名前を書き換えるだけではありません。
誰が不動産を取得するのかを決めたうえで手続きを進める必要があります。
また、令和6年4月から相続登記は義務化されています。
不動産がある場合は、早めに確認しておくことをおすすめします。

相続放棄には期限がある

相続手続きの中で特に注意したいのが相続放棄です。
借金が多い場合など、
「相続したくない」
と考えることもあるでしょう。
その場合、家庭裁判所で相続放棄の手続きを行うことになります。
ただし、相続放棄には原則として3か月という期限があります。
後回しにしているうちに期限が過ぎてしまうこともあるため注意が必要です。

焦って全てを進める必要はない

相続が発生すると、
「急いで手続きをしなければならない」
と思う方もいます。
しかし、全てを一度に進める必要はありません。
まずは、
・遺言書の有無
・相続人の確認
・財産の確認
この3つを整理することが大切です。
ここが整理できれば、その後の相続手続きも進めやすくなります。

まとめ

葬儀が終わるまでは目の前のことで精一杯だったという方も多いでしょう。
そして少し落ち着いた頃に、相続について考え始めることになります。
葬儀後にまず確認したいことは、
① 遺言書はあるか
② 誰が相続人なのか
③ どんな財産があるのか
この3つです。
相続は家庭ごとに状況が異なります。
だからこそ、最初に全体像を把握することが大切です。
焦らず一つずつ確認しながら進めていきましょう。